テイルズ オブ エクシリア2

 

一言感想

シナリオライターを変えてその後のファンディスク

 

グラフィック 8点
シナリオ 8点
ボリューム 9点
システム 9点
快適さ 9点
満足度 8点
総プレイ時間 101時間
総合評価 85点

 

 

今回は前回の1年後のエレンピオスとリーゼ・マクシアでのストーリーです。

主人公に新たな人物ルドガーを、ヒロインにエル(非戦闘員)を据えていますが、

他のメンバーは全員前作でのキャラクターで、

ガイアス以外は前作のパーティキャラクターが占めています。

その為、基本は前作の続き、ないしはファンディスクですね。

ですが、前作の世界設定を上手に使用して、

今回での新たな世界設定を盛り込み、

綺麗に同化させていると思います。

 

前作では評判の悪かったシナリオを書いた

メインシナリオライターをサブイベントライターに落とし、

他のシナリオライターをメインで採用したのは大成功だったと思います。

支離滅裂な行動を起こす人物や、裏切る人物もおらず、

1年でみんなの成長ぶりを見られる良いシナリオだったと思います。

ヒロインのエルが8歳ということで正直どうかと思ったのですが、

彼女の年齢や性格を上手くシナリオや設定に練り込んできており、

納得の人物に仕上がっています。

前作の続き、ないしはファンディスクとしてはなかなか良い出来だと思います。

 

ただし、納得いかないのがエンディングです。

今回はマルチエンディングを使用しており、

終盤の選択肢で3通りと、おまけエンディングと温泉エンディングがあります。

基本的にエンディングと認められているのは2通りで、

温泉はどちらかというとサブイベント、

おまけエンディングはネタエンディング、

もう一つはバッドストーリーとして、正確にはエンディングとはなっていません。

ネタバレの為にあまり言明はできないのですが、

全部バッドエンドではないか? と思わせる、暗いエンディングばかりです。

もちろん一縷の希望や、その後の輝かしい未来も描かれており、

救いようのないエンディングは一つだけなのですが、

そういうのが嫌いな方は要注意です。

 

 

 

戦闘は基本的に前作と同じですので割愛します。

前作ではとある特定の術技でないと共鳴術技が起こらなかったのですが、

今回はある特定の術技のみユニーク共鳴術技(固有共鳴術技)

それ以外の術技はコモン共鳴術技(デュオ系)となり、

どの術技でも共鳴術技になるのは良かったですね。

あとはルドガーが骸核に変身することによって

強力な攻撃システムが加わったぐらいでしょうか。

もうちょっと変化が欲しかったな、と思います。

 

 

 

さて、前回で評判の悪かったリリアルオーブは廃止され、

今回その替わりになっているのがアローサルオーブです。

前回はレベルが上がるだけでは全くステータスに変化がなかったのですが、

ステータスはレベルアップ時に自動的に上がるようになっています。

ではアローサルオーブでは何を覚えるのかというと、

スキルや術技を覚えるようになっています。

付けるものによって何を覚えるのか、付ける前に表示されるので便利ですね。

アローサルオーブの種類によってどの属性をどのスピードで吸収するかが変わっており、

より多くの属性、スピード倍率が高いものを装備する方が覚えるスピードが速く、

ストーリーが進むごとにより早く覚えられるアイテムが手に入るようになっているので、

後から加わった者でもあまり見劣りせずに覚えていくことが可能になっています。

前よりもだいぶ楽になっており、またこちらで覚える順を

ある程度操作できるのが強みです。

 

 

お店に素材を納品すると売っている品が

値引き・増加というシステムは今回廃止になっています。

替わりのシステムが特注となっておりまして、

持っている素材でアイテムを作ってくれるシステムです。

今回作れるアイテムはストーリーが進むごとに多くなっていくようになっておりまして、

前回のようにいきなり強い武器防具が作れるようにはならず、

上手くその辺をコントロールしてきたと思います。

 

後加わったのは借金の返済、猫派遣、仲間の新密度、キャラクターエピソードですね。

借金の返済はメインシナリオに密接にかかわっており、

メインシナリオ終了後に間奏ともいえる借金返済期間に

ある一定額を返さないとメインシナリオを

進めることができないようになっています。

しかしクエストで簡単にお金を稼げるので、

借金返済に困らないようになっています。

メインシナリオ中もある一定金額以上を所持してしまうと、

強制的に支払わされるようになっています。

それにより、あまり大きな金額を所持できなくなっていますが、

武器防具アイテムを買うには特に問題はなく、

持っている金額で基本的に買えるようになっています。

ある一定金額以上所持で煩いぐらいに

返済を強いられるのが不評のようですが、

その場合は思い切ってちょっと多めに返済してやれば良く、

欲しいアイテムをお金がないので買えないということもなく、

特に問題を感じませんでした。

また、任意返済額に応じて結構良いアイテムをくれるので、

頑張って借金を返そうと思う意欲につながります。

この辺のさじ加減は上手いと思いましたね。

 

猫派遣は世界中に散らばってしまった100匹の猫を探し出し、

見つけた猫たちに各地のアイテムを探してきてもらうというシステム。

猫が多くなればなるほど拾ってくる数や確率が上がります。

レア度の高いアイテムも探してきてくれますし、

また、猫派遣でしか手に入れられないアイテムもあります。

そして何よりの良点が、可愛い猫たちに癒されるというところ。

なかなか良かったですね。

 

仲間の新密度が高くなるとアイテムをくれたり、

チャットが発生したり、共鳴必殺技を覚えたりと色々な特典があります。

このため、みんな広く深く仲良くなるために頑張ってしまいましたね。

数多くある選択肢は仲間たちと新密度を高めるものが基本です。

 

キャラクターエピソードはいわゆるサブイベントです。

各自4〜6つあるロングイベントがほとんどであり、

続き物のかなり大掛かりなイベントとなっております。

キャラクターに深みを与えたり、意外なことが解ったりとかなり良いイベントです。

新密度が上がるという良点もあるのですが、

各イベント必見の出来であり、かなり良いサブイベントとしてできておりまして、

今回でいちばん良かったシステムだったのではないかと思います。

必須ではないのでストーリーだけ見たい人は飛ばすことも可能ですし、

ある特定の時点でしか起こらないといったイベントはありません。

イベントが起こる場合は全体マップで「!」で表示されており、

イベントのある人物の上には「!」の吹き出しが出ているので、

誰のイベントが発生可能か、ものすごく分かりやすくなっているのも良かったですね。

楽しんで各エピソードをクリアできました。

 

今回のみでちょっと不自由だと思ったのは、

パーティーメンバーは街マップでしか変更できないという点でしょうか。

装備アイテムは変更可能でしたので、あまり問題はありませんでしたが、

分史世界に行くと正史世界に戻ってくるまで

メンバーを変えられないのがちょっと不安でしたね。

バランスを考えてメンバーを組みましたので

あまり不自由は感じませんでしたが。

 

 

 

基本的なシステムはあまり問題ないです。

特にローディング関係は抜群で、

マップが変わったりアニメーションに移ったりしても

ほとんどローディングを感じませんでした。

一つきりとはいえ、どこでもセーブできるクイックセーブは続投。

基本的なシステムは前作を引き継いでいるので、快適です。

ただ、今回は最後にセーブしたセーブに初期カーソルが

合っていないことがあったのがちょっと不便でした。

クイックセーブの方が最後にセーブしたのに、

普通のセーブの方にカーソルがあっていたり、

またその反対になっていたりすることがありました。

気を付けてどちらで最後にセーブしたのか

覚えていなければならず、その辺は面倒でしたね。

間違って最新ではないセーブポイントで始めてしまったことが一度だけあり、

起こしていたイベントがふいになっているのに気づいて

ヒヤリとしたことがありました。

かなり近い時間帯でセーブしていたので何とかなりましたが、

こういうのはやめてほしかったです。

 

あと最大の不満点はルドガーがほとんど喋らないということ。

選択肢で運命やセリフを選ぶということで、

プレイヤー=ルドガーというのを表現したかったのかもしれませんが、

これが最大の失敗ポイントでした。

そもそもこのテイルズシリーズ自体が、

仲間内で仲良く話すチャットというものが売りの一つであり、

主人公がほとんど喋らないというのは難点になっても良点にはなりえません。

無口というより無理矢理喋らせなかったような感じになっており、

どうにもストーリー中違和感が拭えませんでした。

RPGでは喋らない主人公というのもままあるのですが、

その場合は徹底的に声やセリフを廃止しているからいいのであり、

今作のように中途半端に喋る場合はダメです。

一人の人物として人格や性格をきっちり作っているのですから、

従来通り喋らせるべきでした。

テイルズには喋らない主人公は合いません。

次回作からはやめて頂きたいと思います。

 

 

グラフィックは基本的に前作の物を使いまわししているので

特に言うことはありません。

街マップやダンジョン、フィールドもほとんどが使いまわされているのが

ファンディスクという所以ですね。

今回のみといったマップは極端に少なく、

もうちょっと新マップが欲しかったところ。

重要なシーンはアニメーションで展開されるのですが、

この制作会社も前回の会社と同じで、どのムービーも素晴らしい出来でした。

 

 

 

プレイ時間は、1エンドで80時間。

全5エンドを見るのに101時間。

ギガントモンスターはEXまですべてを倒し、

イベントクエストは制覇、キャラクターイベントもコンプ、

クエストの勲功ポイントはMAXのマスターメダルで、レベルは152でした。

メインシナリオは恐らく30〜40時間ほどだと思うのですが、

脇のイベント関連が厚いですね。

従来の数が多いだけで薄く、ある特定の時期に

ピンポイントでしか起こらないサブイベント、という悪癖はなくなっており、

非常に快適に、濃密に楽しめたイベントでした。

 

今回はストーリーがかなり良く、テコ入れをされているのですが、

前作の続き物で前作をプレイしていないとこれ単品でのプレイは厳しいのと、

バッドエンドに思えるエンディングがややネックでしょうか。

それ以外は非常に楽しめるものに仕上がっていると思います。




HOME    BACK

inserted by FC2 system