ワールド オブ ファイナルファンタジー

 

 

 

一言感想

他作品コラボとのせのせプランが面白い

 

グラフィック 9点
シナリオ 5点
ボリューム 8点
システム 8点
快適さ 7点
満足度 8点
総プレイ時間 75時間
総合評価 78点

 

 

 

ある日少し寝坊して目覚めたラァンは、

向かったバイト先で店員は誰もおらず、

一人席に座る女性客を見て彼女に大慌てでコーヒーを淹れた。

何故店員が誰もいないのにお店を開けているのかと首を傾げていた所、

双子の姉であるレェンがお店に飛び込んできた。

人が自分たちとその女性客以外、誰もいないのだという。

 

にこやかに微笑む女性客、エナ・クロと、

朝起きていた時から実はずっとラァンの頭にいた狐のミラージュのタマに、

二人はミラージュ使いであり、

使役していたミラージュを全て引きはがされた結果、

ミラージュに関する記憶全てを失っていると教えられた。

二人が失った記憶の欠片は、きらきら輝く虹色の扉の向こう、

ミラージュたちが住む世界「グリモワル」にあるという。

どうするかと楽しげに尋ねるエナ・クロに、

二人は同時にうなずくと、扉の中に飛び込んだ。

 

かくして二人は、タマをナビゲート役に、

グリモワルに記憶を求め、ミラージュを集めつつ旅をしていくうちに、

謎を解き明かしていくというのが大まかなストーリーなのですが、

実はストーリーや脇のサブストーリーの類を全部クリアしても、

すべては語られていません。

 

何故世界はこのようになっているのか?

何故二人はあの世界にいたのか?

人間たちはどこへ行ったのか?

二人が住んでいた世界はもともとどのようなところだったのか?

名を忘れた少女は何故二人に力を貸してくれるのか?

アウィンとは何者か?

 

といったものは、断片的に語られてはいるものの、

決定打に欠けるものばかりであり、

なんだかすっきりしないままに終わりを告げられます。

長々とストーリーを語ってきたわりには、

その辺りの重要な部分はぼかされており、消化不良を感じます。

 

また、始終弟のラァンが寒いボケをかましており、

姉のレェンがややわざとらしいきつい突っ込みを入れるという

展開が延々と続くため、非常に会話が寒い。

三流芸人のつまらないボケ会話を延々と聞かされるのは正直苦行です。

寒いボケと突っ込みを全部切り捨てれば

比較的まともなストーリー展開であるだけに、

このセリフを書いたライターに残念感でいっぱいです。

寒いセリフ連発が耐えられる人でないと、

このあたりはちょっと厳しいでしょう。

 

 

 

戦闘システムはコマンドタイプのオーソドックスなタイプです。

コマンドを選んでいる時も時間が進むアクティブと、

コマンド選択時は時間が止まるウェイトが選択可能です。

戦闘するミラージュたちは、ある特定の条件を満たせば捕まえて、

自分が使役するミラージュにすることが可能です。

 

本作の最大の魅力が、このミラージュたちを使った

のせのせプランと、育成要素です。

ミラージュと自分たち合わせて

それぞれS、M、Lの3つをワンユニットにする、

のせのせプランが実に面白い。

どのミラージュを組み合わせて乗せるかで、

使える魔法が違ってきたり、属性耐性に変化が現れたりします。

デフォルメされたおなじみのキャラクター達が

ポンポンと上に乗っていく様が実に可愛らしく、癒されます。

敵に攻撃されるとバランスが悪くなっていき、ふらふらと傾いて、

ある一定以上になるとのせのせが崩されるという設定もなかなかいいですね。

 

そしてその育成要素も面白い。

ミラージュボードというある特定点を開放することにより、

使用魔法やパラメーターUPを図っていくというもので、

ミラージュボードを埋めていくと、

他ミラージュへ進化させることが可能です。

他ミラージュへ進化させるとS、M、L、EXのサイズに変化します。

この変化するという要素も面白く、

またセーブポイントがあればいつでも元のミラージュへ

ペナルティなしで戻すことも、再度進化させることも可能です。

ただ、進化先に頻繁にロックがかかっているのが面倒でした。

もうちょっとある特定のキャラクターだけにしてほしかったと思います。

 

過去のFFキャラクターがグリモワルでの重要キャラクターとして登場し、

彼らのメダルを得ることで彼らを戦闘中に召喚できるのも

長年のファンとしては嬉しい限りですね。

 

 

 

システムは特に可もなく不可もなく。

途中セーブがあったらよかったと思うのですが、

PS4版は中断が可能なので、特に問題なかったですね。

ちょっと気になるのが、戦闘のあまりのスピードの遅さです。

独特の魔法のモーションは飛ばすことは不可能ですし、

戦闘スピードを上げることは出来るのですが、

ずっとR1ボタンを押し続けなければならないのがかったるいです。

コンフィングで変えさせてほしかった。

 

 

 

グラフィックはややデフォルメされた等身の低めな3Dタイプです。

大人はやや癖のある目元ですが、

プリメロたちは二頭身でコロンとしていて可愛らしく、

キャラクター達のイメージを崩さずに非常に上手くデフォルメされています。

途中で差し挟まれるアニメーションが、

それほど悪くはないものの、あまりにも元のイメージと違うので少々面喰います。

もともと、3Dのモデルは比較的イラストに近く、出来がいいだけに、

無理にアニメを入れなくても、3Dだけで十分勝負が可能だっただけに、

どうして中途半端にアニメを入れたのか少し首を傾げます。

 

 

 

 

プレイ時間は、ストーリーエンド後のおまけダンジョンをクリアして75時間。

トロフィーは71%、闘技場は全部クリアしています。

本編クリアが60時間ぐらい、おまけダンジョンが15時間ぐらいですが、

おまけダンジョンのボスを倒すと本編を解き明かす

重要なキーアイテムが手に入るため、

できればおまけダンジョンもクリアしたほうがいいです。

何故おまけダンジョンにこういうアイテムを入れたのか謎です。

これは本編に入れるべきだったのでは。

 

ストーリー自体は新規であり、出てくるキャラクター達は

シリーズで出てきた人物と容姿、設定は似ているものの、

その世界で実際に生きている人物であり、

ファイナルファンタジーをプレイしていない人でも十分プレイ可能です。

 

ミラージュたちを捕まえ、のせのせプランに組み込むのと、

育成プランが面白く、コロンと全体的に可愛らしいイメージの本作ですが、

エンド後も全部明らかになっていない消化不良を感じて、

ちょっと気持ちが悪い感じです。

また、主人公二人が始終寒いボケと

突っ込みを延々と続けているのも大問題です。

ストーリーはここが許容できる人でないと難しいのですが、

このゲームの魅力はミラージュと彼らの育成ですので、

実にもったいないセリフ回しかと思います。



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