THE どこでも推理

−IT探偵:全68の事件簿−

SIMPLE2500 シリーズ Vol.3

 

一言レビュー

推理というよりはクイズ

 

グラフィック 6点
シナリオ 7点
ボリューム 6点
快適さ 5点
満足度 8点
総プレイ時間 18時間
総合評価 65点

 

 

シリーズものになっている「THE 推理」シリーズ全作を詰め込んだ作品です。

PS版で出ている一作目は声なしでしたが、

それに声をフルボイス化(主人公と後日談除く)して、

追加のシナリオ10話が挿入されています。

全部で68作。

テンポ良く進むストーリーは結構穴だらけではあるのですが、

魅力のあるキャラクター達がそれを何倍も引き立てています。

とにかくキャラクターが魅力的。

3作がきちんと繋がっており、3つでほぼ綺麗に伏線が回収されていますので、

世界観や人物設定はきっちり組み立てられています。

 

ストーリーはごく簡単で、証拠写真等を見て、

推理をしていくタイプ。

といっても本格推理を期待しては、絶対にいけません。

推理というよりクイズに近く、殺人事件の類を扱っているものはごく少数です。

映像を見ただけで分かる類のものですので、

どうして専門家や警察側が分からないのか不思議でならないのですが、

それはこの作品ではあくまでも禁句。

楽しく頭の体操をしましょうという作品ですので、

そういうことを言ってはいけません。

 

そういうわけですので、難易度はかなり低い目。

映像の決められたポイントを全てチェックした後、

4択ぐらいから正しい答えを選んでいくと、

勝手に主人公が推理を展開してくれるので、

こちらが推理しているという感覚が無いのはちょっと残念ですね。

選択を間違ってもペナルティは無く、

ただストーリーが進まなくなるだけとは甘すぎのような気がします。

 

これは前から続投なのですが、後日談があるのはこの作品の良いポイント。

ただし、全部プレイし終わってからしか後日談が見られないのがやや不満です。

(推理1が全部プレイし終わると、推理1の後日談が全部オープンします)

プレイし終わってから大分立ってから見ますので、

話の内容を忘れてしまっており、純粋に後日談を楽しめません。

一話終わるごとに後日談が見られると良かったと思います。

 

 

システムですが、かなり悪い目です。

まずセーブなのですが、セーブしたポイントから始まりません。

ある程度のセンテンスごとにセーブされるようで、

セーブしたポイントからかなり遡って再プレイということになるので、

かなりストレスを感じるセーブシステムです。

携帯機として殆どのシーンでセーブできるのはいいのですが、

これではその意味が生かされていません。

実にお粗末なセーブシステムだと思います。

ハッキリ言って失格ですね。

 

また、ゲームを始めるまでのローディングですが、

続きから始めるのに3回もロードさせるのはどうかと思います。

4つの作品を別々にプレイできるとはいえ、

この辺ももうちょっとどうにかして欲しかったポイントですね。

 

スキップシステムが付いているのはとてもいいのですが、

選択肢が出てくるごとにスキップが解除されるのはダメですね。

何度もスキップを押しなおさなければいけないので煩わしかったです。

 

 

次にグラフィックです。

証拠を調べる時の画像ですが、

移植前の画像をそのまま縮小しただけで、

小さな携帯機への配慮が全く見受けられません。

TV画面でも小さかった証拠品が、PSPの画面に縮小されたことにより、

なお一層見え辛くなっています。

数ドット単位のものを指摘しなければならないものもあり、

怪しいポイントが全く分からず、全てのポイントをチェックするのが大変でした。

この辺で労力を消費するのはどうかと思います。

チェックするポイントを色で囲むなり、

小さくてわからないポイントは拡大させるなりの配慮が必要だったと思います。

こういう細かなところに気遣いが感じられないのは非常に残念ですね。

 

グラフィックのレベルですが、いまひとつです。

PS、PS2で出た作品をそのまんま移植しているだけですし、

移植前の時でもさほど良いグラフィックではありませんでしたので、

PSPのグラフィックをあまり生かせていないと思います。

PS初期レベルぐらいでしょうか。

 

 

プレイ時間は全部で18時間。

一作十五分ぐらいで、PSPとしては短いですね。

システム的に重大な欠点が多数見受けられるものの、

楽しくテンポ良くプレイできました。

ストーリー的に推理とはとてもいえないものが多いのですが、

短時間で気軽にプレイできるものを探している方にはお勧めです。

ただし、「推理」という言葉に過度の期待をし過ぎないように!



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