逆転裁判2

 

一言レビュー

クオリティはそのままで、グラフィックが少しだけ進化

 

グラフィック 9点
シナリオ 9点
ボリューム 8点
快適さ 6点
満足度 10点
総プレイ時間 24時間
総合評価 86点

 

 

GBAで発売されたソフト「逆転裁判2」のDS移植作です。

前作の主人公成歩堂弁護士となって、

無実の罪を着せられた被告人の無罪判決を勝ち取るという

その他システムはほぼ前作を継承しています。

 

今回付け加えられたのがサイコロックというシステム。

探偵パートで話を聞いていくうちに、

目撃者達が嘘をついていたり、秘密にしていたりすることがあると

鎖が幾重にも現れ、鍵が表示されます。

鍵の数は秘密の重さで決まるようですが、

これを解除するためには他の場所で

それを解除するための証拠品や話を集めてくる必要があります。

もし、突きつける証拠品の類を間違えると、

裁判パートと同じく右上の緑色のバーが減っていくシステム。

 

これが、今までただ退屈だった一本道の探偵パートに起伏をつけていますね。

ただ、どれだけ証拠を集めれば鍵を解除できるのか

分からないので難易度は少し高め。

ですが、解除に成功すれば減ってしまった緑色のバーが回復しますし、

途中でサイコロックの解除作業を止めることも可能ですので、難易度はまずまずですね。

 

今回探偵パートで話を聞くとき、物だけではなく

人物も突きつけることが可能になっており、

探偵パートがより難しくなっています。

探偵パートは話を聞くだけの総当りコマンドで、

どちらかというと面倒さが目立つパートですので、

この辺の難易度のアップはちょっといただけませんね。

もう少しさくさく進めるようにしていただきたかったかと。

 

 

ストーリーの展開、人物の奇抜さは相変わらず。

シリーズが増えていくごとにクオリティが下がっていくゲームが多い中、

前作と同じクオリティをそのまま保っている

アドベンチャーゲームは非常に珍しいと思います。

前作でのキャラクターが数人、引き続き登場しているのも嬉しいポイントですね。

とにかくキャラクターの魅力は異彩を放っているゲームですので、

これ誰だったかな?というキャラクターがおらず、

再登場も嬉しい限りです。

また、今回も最終話の出来の良さは素晴らしい。

大掛かりな舞台、また前作の最終話(DSで付け足された5話を除く)と

対極に位置するかのようなエンディングでいながら、

プレイヤーに不快感を与えず、いっそ清々しさを感じさせるのは素直に感心しました。

ストーリーの出来は素晴らしいです。

推理物の類の中では、最高峰でしょう。

 

前回に引き続きトリック自体に無理があるものや、

証拠を突きつけるとき、他の証拠でも良いような気がするところや、

探偵パートがとにかく総当りコマンドでだれるなどの

問題も引き継いでいるのですが、

あくまでもゲームですので、笑って目をつぶれるレベル。

あまり問題ないと思います。

 

 

システムですが、前作の移植作と全く同じ。

要するに、ダメだと評価したところはそっくり同じままですね。

セーブ、メッセージスキップ、タッチパネルの操作方法、全部悪い目です。

このあたり、ちょっと残念ですね。

 

 

グラフィックですが、今回新たにムービーが加わりました。

といっても、大掛かりなものではなく、ちょっとしたものですが、それでも進歩ですね。

DSで背景画と立ち絵だけなのはちょっと…と思っていたので、

この進歩は嬉しいところ。

欲を言えばもうちょっと沢山入れて欲しかったです。

 

キャラクターデザインの癖の強さも相変わらず。

ただ、レギュラー陣が着たきりスズメなのが気になります。

前作のものをそのまま流用するのはいいのですが、

立ち絵・表情の追加を図って強化して欲しかったですね。

 

 

プレイ時間は正確なところはわかりませんが、約24時間。

ほぼ自力で攻略しましたので、

プレイ時間は少々長めになっています。

攻略サイトを頼ると20時間前後ぐらいでしょうか。

携帯機としては、ボリュームはまずまずありますね。

前回は移植に際して一話付け加えられていたのですが、

今回一切なかったのがちょっと残念でした。

 

前作と同じクオリティを保って、

映像面でクオリティアップしているのは凄い事だと思います。

前作を超えられないとプレイヤーに叩かれるゲームが多い中、

これは特筆すべき点でしょう。

ストーリー自身、いささか無理があるのですが、

そのあたりはゲームだと思って、目をつぶって純粋にストーリーを楽しみましょう。

 

システム面でややまずいところがあるにはあるのですが、

全体的に高いレベルで仕上げられている作品です。

本格推理を期待しなければ、誰にでもお勧めできるレベル。

トリックの奇抜さもとても楽しく、

それを徐々に明らかにしていく手法も見事でした。



HOME    BACK

inserted by FC2 system